フランチャイズチャンネルさんの動画で令和の虎の三浦会長がこやし屋フランチャイズ事業の提案を行いました。こやし屋は三浦会長が責任者である株式会社トリアイナが運営している買取専門店です。現在は三鷹と武蔵境の2店舗を運営しているようですが、今後フランチャイズ(以下FCとします)で584店舗展開していきたいと発表しました。
本記事ではフランチャイズチャンネルさんで発表されたこやし屋FC展開の事業企画を解読していきます。
参考元:フランチャイズチャンネル|YouTube
目次
1.こやし屋フランチャイズの特徴
1-1.高齢者がターゲット
1-2.ロイヤルティ0円
1-3.加盟料が高め
1-4.出張買取代行
1-5.買取したものはすべて本部へ売却
2.Tiger Funding側の反応
3.こやし屋フランチャイズと他社フランチャイズとの比較
3-1.顧客ターゲット
3-2.ターゲット商圏
4.こやし屋フランチャイズの気になるポイント
4-1.初期費用
4-2.売却先が限定されている
4-3.現場鑑定人がプロではないことへの対策
4-4.競合他社との競争
5.まとめ
1.こやし屋フランチャイズの特徴
こやし屋FCの特徴は以下の5点です。
高齢者がターゲット
ロイヤルティ0円
加盟料が高め
出張買取代行
買取したものはすべて本部へ売却
細かく見ていきましょう。
1.高齢者がターゲット
買取FCは多数の会社が手掛けていますが、高齢者に絞って集客を行っているところは見たことがありません。客層は高齢者が多くても、基本は全年齢を対象として広告をかけています。こやし屋さんではクロスワードなどを使った独自の広告戦略で高齢者の集客に成功しています。
2.ロイヤルティ0円
FCと切って離せないのがロイヤルティですが、こやし屋FCでは驚異のロイヤルティ0円を宣言しています。ロイヤルティ0円でもSVによるサポートを受けられるようです。ただし、ロイヤルティ0円の代わりに買取商品はすべて本社へ流さなければなりません。本社がオークションの手数料として買い手から5%、FCオーナーから5%の計10%が入るシステムにするようです。おたからやさんが月10~40万円、大吉さんは月20~40万円ですので、支払額はそこまで変わらないかと思います。しかし、病気等で休業する際にロイヤルティ0円なのは助かりますね。
3.加盟料が高め
こやし屋FCでは加盟料が500万円(税抜)です。他社FCでは加盟料自体は数十万円の所が多いですが、その他費用で250万円は最低でもかかります。こやし屋では加盟料にその他料金も含まれているので、他社FCさんの上位プランと比較しても初期費用はそこまで変わらないです。サポート内容を考えるとむしろ安い部類です。
4.出張買取代行
お客様から出張買取依頼が来た場合は本部に委託することで、利益の20〜50%が手元に来るようです(動画内では30〜50%と述べていました)。おたからやでは出張買取は本社の領域で回されないので、出張買取でも利益を得られるのは大きなメリットです。店舗を空けずに利益を得られます。
5.買取したものはすべて本部へ売却
前述しましたが、買取商品はすべて本社に売却します。三浦会長曰く、既に他社さんから買取して満足をいただいているとのことです。買取商品はオークション、ECサイト、店舗販売に振り分け販売するようです。
2.Tiger Funding側の反応
こうしたプレゼンを三浦会長からされたTiger Fundingのメンバーは「穴がない」と口をそろえて言います。そして最終的にフランチャイズチャンネルで正式に応援することが決まりました。しかし、買取業界にいた人間から見ると課題点も多々見えます。
3.こやし屋フランチャイズと他社フランチャイズとの比較
1.顧客ターゲット
大手買取専門店のおたからやや大吉では顧客に高齢者が多いものの、全年齢をターゲットとした広告を打って取りこぼしを減らしています。しかし、こやし屋は高齢者をターゲットにしています。それ故、商圏も異なれば広告の打ち方も異なっています。ターゲットを絞ることで商圏が見つけやすくなり、広告費も抑えやすくなるという点で理にかなっています。
2.ターゲット商圏
こやし屋は高齢者をターゲットにしているので、商圏が同業他社と比べて狭まります。三浦会長は高齢者が1000人以上いる地域2kmをターゲットにすることで、多店舗展開がしやすいと述べています。おたからやが同じ地域に複数店舗展開しては撤退しているのを見ると、ターゲットとなる商圏範囲(半径2km)を設定し、その範囲外で店舗を作るという方針は妥当かと思います。
4.こやし屋フランチャイズの気になるポイント
「穴がない」と経営者陣絶賛の企画でしたが、この章ではこやし屋FCの気になるポイントを深掘りします。
初期費用
前述したようにこやし屋の加盟料は500万円です。質の高い・共感を得やすい加盟店オーナーを集めるという点においてこの加盟金は妥当かもしれません。こやし屋FCのサポート内容など諸々を考えると500万円は妥当だと考えますが、なるべく低資金で買取業を開業したい方には向かないビジネスプランです。今後、この加盟金が変動していくかは気になるポイントです。
売却先が限定されている
売却先がない方にとっては救済といえる制度ですが、自身でコネを持つ方には足かせになる可能性があります。ご自身で売却先のリストを持っている方にとっては、自身で売るより高値を出せる可能性があり利益拡大のチャンスを失いかねません。しかし、本来そのような方はフランチャイズ加盟にはあまり性格的に向いておらずご自身で開業される方だと想像されます。ですので、こやし屋FCは全くの業界未経験の方に向いている様にも捉えられます。売却先が本部に限定されているということで本部への依存度が増すので加盟店オーナー・従業員の自主性がポイントとなります。
現場鑑定人がプロではないことへの対策
こやし屋では未経験可の査定システムがあります。写真や動画をバックヤードで鑑定人に送るオンライン査定です。この方法は何社かの同業他社も使っていますが、高齢者の方は自身のものを目に見えないバックヤードで査定されることを嫌がります。FC店舗では簡単な査定しかできない方が主流になることが予想できますので、バックヤードでの査定がお客様の満足度を下げる結果になる可能性があります。ただそこも、こやし屋FCではプロになる研修体制や学ぶ機会が整えられていて、流石の一言です。
競合他社との競争
高齢者をターゲットにするといっても、競合他社との競争は避けられません。おたからやは800店舗、大吉は300店舗、ジュエルカフェと大黒屋が250店舗ずつ、なんぼやが130店舗と競合店舗は2000を軽く超えます。特におたからやはどの商圏でも確実に店舗があるので、競争が起きることは明白です。競争が起きた際に、高齢者だけがターゲットで利益を取り切れるかという部分が不安要素です。しかし、この辺りも高齢者の方向けに考えられている仕組みや今後の超高齢化時代の流れに乗ったターゲティングは今後のこやし屋FCのチェーン拡大路線のポイントとなりそうです。
5.まとめ
引用:こやし屋公式サイト
今回はFC版Tiger Fundingの三浦会長の事業企画を解読しました。注目度が高く、説明会がすぐに埋まるほどの人気ぶりですが、説明を聞く前に本記事を読み、メリットデメリットを把握していきましょう。
参考元:フランチャイズチャンネル|YouTube
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